平井商店(滋賀県) 
|
平井商店
所在地:滋賀県大津市
代表者:平井八兵衛さん
設立:1658年(万治元年)
取材者:宮本輝紀(2013年9月3日) |
 |
 |
平井商店は1658年(万治元年)、東海道五十三次53番目の宿場町・大津宿(現:滋賀県大津市)で創業しました。
当時大津宿は東海道最大の宿場町であると共に、琵琶湖の湖上交通の要衝であり、物流の中継地として栄えていました。
また水よし・米よし・気候よし、と酒造りに適した土地で、「大津酒」という言葉があるほど、この地方の酒は愛されてきました。現在も旧東海道からひと筋裏にある商店街のアーケード内にあり、平井商店の建物がその当時の雰囲気を伝えています。
銘柄「浅茅生 あさぢを」は、1677年(延宝5年)聖護院宮道寛親王より賜わった和歌、「浅茅生の 志げき野中の 真清水は いく千世ふとも くみはつきせじ」より銘々されたそうです。 |
 |
 |
 |
 |
平井商店は家族経営の小さな蔵ですが、小さな蔵だからこそできる丁寧な小仕込みの昔ながらの造り方をしており、特に毎日の温度調整を大切にしています。
酒の搾りは佐瀬式と呼ばれる垂直式圧搾機で、「もろみ」をひとつひとつ、人の手で袋詰めし、丹念に積み重ねてから上からゆっくりと圧をかけてお酒を搾ります
徐々に圧力をかけることで、お酒本来の味わいと純度を保っています。
この方法では、1回で少量しか搾り出せないため、この作業を何度も繰り返し、商品として販売できる量を確保できる、手間のかかるやり方ですが、品質の為、あえてこの方式を採用しています。
また、新しい試みとして、夏でも飲める新酒として生にごり微発泡純米酒「湖雪(フーシェ)」を開発しました。
炭酸のピリリとした生のにごり酒で日本酒を和食以外と合わせて飲んでほしい、という蔵元の想いから生まれました。
1回の仕込みは約100リットルとごく僅かですが、それだからこそのフレッシュな美味しさが魅力です。 |
 |
現蔵元の平井八兵衞さんは、代々八兵衞の名前襲名しており、17代目となります。
平井蔵元は元商社マンで海外勤務を経験した後に家業を継ぐことを決意し、自ら杜氏の修行を始めた、蔵元杜氏の先駆けといえます。
また娘の弘子さんが大学卒業後蔵に入り、18代目の女性蔵元杜氏として自分らしい酒を求めて努力しています。
2015年に伏見の酒蔵で勤務していた将太郎さんと結婚し、家族仲良く一丸となって、地元の人たちが安心して楽しめる、飲めない人にも飲んでもらえるようなお酒造りを目指しています。 |