鳥取県　北条ワイン

北条ワイン

所在地：鳥取県東伯郡北栄町
醸造責任者：山田和弘さん
設立：1944年
取材者：宮本輝紀(2013年11月25日)

北条ワインは鳥取県中部、東伯郡北栄町の日本海に面している北条砂丘にあるワイナリーです。
　北条砂丘は東西約12キロに広がっており、昔から長芋など砂丘農業の盛んなところで、中でもぶどう栽培の歴史は江戸時代末期までさかのぼり、1856年甲斐の国から持ち込まれたと言われています。
　砂丘地のためとても水はけが良く、砂丘の照り返しにより昼と夜の温度差が大きく、また海から吹き上げてくる風の為病気が少なく、良質なぶどうを栽培するには最適な土地です。
　ワイナリーに向かう途中、海からの風を利用した風力発電用の風車が見えます。
　北条ワインの創業は1944年、第二次世界大戦中に潜水艦・魚雷探知の水中音響機器（ソナー）の部品材料であるロッシェル塩の生成に用いる、酒石酸の製造を目的とした軍需工場としてスタートしましたが、敗戦によりワイン工場に変換しました。

海から吹き上げる風と砂丘土壌で育ったぶどうは特有の個性豊かな味わいとなります。 塩っぽさを感じるほどのミネラル感、日照量と昼夜の温度差に由来する果実味・タンニン・酸味がこのワイナリーならではの味わいを醸し出します。 　醸造面では伝統を大切にする一方で、瓶内2次発酵のスパークリングワイン造りなど、新しい試みにも果敢にチャレンジされています。

3代目となる醸造責任者の山田和弘さんはフランスや酒類総合試験所で醸造・栽培を学んでおり、実直で勉強熱心な人柄と相まって、ワインのさらなる品質向上に期待がかかります。