岩手県 高橋葡萄園  
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高橋葡萄園
所在地:岩手県花巻市大迫町
醸造責任者:高橋喜和さん
設立:2015年
取材者:宮本輝紀(2015年12月16日) |
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高橋葡萄園は、岩手県花巻市大迫町に生まれ育った高橋喜和さんが、2015年9月自宅横に 醸造所を開設した新規ワイナリーです。
花巻市は東に北上高地、西に奥羽山脈が連なる北上盆地に位置し、中心に北上川が流れています。
寒冷な太平洋岸気候ですが、盆地の為内陸性の特徴もあり、夏は暑く、冬寒い地域です。
また岩手県の一部はもともとパンゲア大陸と呼ばれる太古の巨大大陸のかけらが、長い年月かけて移動し、日本列島に吸収されたものといわれる国内でも有数の古い地層であり、古生代の堆積性の変成岩や、新生代の火成岩があり、土壌には石灰質が多く含まれており、弱アルカリ性の土壌でぶどう造りに向いています。
高橋さんは1996年自園にぶどう樹を植樹、ワイナリーへ原料を供給しながら絶えず工夫を重ねてきたぶどう栽培の第一人者です。 |
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高橋葡萄園の畑は両親に任せていた畑と借りた畑を含め80aです。
もともと川だった場所なので石がごろごろとしており、水はけが良いぶどう栽培に適した畑です。
ワインの不出来をぶどうのせいにしてはいけないと考える高橋さんは、ぶどう造りを最重要とし、 除草剤不使用の草生栽培で地中の微生物を活性化し、生物多様性による循環型システムを作り、 肥料管理によって枝や葉の強度を高め、病気や暑さに負けないぶどうをつくる「土ごと発酵栽培」を行っています。
「土ごと発酵」とは、その土壌にある未熟な有機物を直接土の表面・表層に撒き、発酵によって土の団粒化をはかる方法のことをいいます。
団粒化することにより、土の保水性や排水性がよくなり、根にとっての環境が良好になり、健全 で美味しいぶどうとなります。
ワインにするとき、畑で収穫前に病害果や裂果した果粒を取り除き、収穫時にも病害果・裂果を 取り除き、健全果のみをワインの原料としています。 |
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ワイン醸造はぶどうの風味をそのまま生かすため、もろみやワインにできるだけ負荷をかけないようにし、ポンプなどを使わず、移動はバケツで運びます。
また、ぶどうの持つ味わいを引き出す醸造管理を心掛け、上澄みだけを最小限の酸化防止で仕込んでいます。
ドメーヌならではの細やかな手作業が出来る賜物です。 |
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オーナーの高橋喜和さんは1971年生まれ。
岩手大学大学院で農学研究・果樹園芸研究室でブルーベリーの品種特性調査を専攻しました。
卒業後、県の園芸試験場で土壌分析の業務を担当した後、1995年エーデルワインへ入社、栽培醸造を担当し1998〜2000年オーストリアのクロスターノイブルグ国立ワインスクールで醸造と作業の流れを学びました。
その中で”ワインは造るものではなく、生活の中から自然に生まれてくる文化”だということを強く感じ、生まれ故郷においてその考え・文化を展開しようと決意しました。
エーデルワインを2006年退社後、紫波フルーツパークで醸造長として2011年まで務めワイナリーの評価を高めましたが、自分のワイナリー設立への願望が2010年頃湧き上がり、2013年に個人事業開始、委託醸造を続けながら2015年待望のワイナリー承認となりました。
「品質はぶどう畑で育つ」というオーストリアで学んだ言葉を信念として、柔らかいが芯のある味わいのワインを目指しています。
高橋さんの優しく柔和な性格がワインに反映しています。 |