山梨県 シャトー・メルシャン 城の平ヴィンヤード
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シャトー・メルシャン 城の平ヴィンヤード
所在地:山梨県甲州市勝沼町
工場長:松尾弘則さん
設立:1984年
取材者:宮本輝紀(2016年8月23日) |
シャトーメルシャンの自社試験圃場である「城の平ヴィンヤード」は、山梨県甲州市勝沼町、甲府盆地を見下ろす標高550〜600mの斜面東端にある西北西向きの約1haの畑です。
「笹子おろし」と呼ばれる風が吹きおろすため、風通しがよく夜温を下げるため、昼夜の温度差が大きい内陸性気候となっています。 |
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ヴィンヤードは1984年、日本の風土では不可能では思われていた垣根仕立てで、カベルネ・ソーヴィニヨンを7000本/haの密植で植樹したのが始まりです。
現在はぶどう樹齢も上がり、しっかりとした風格のぶどうが収穫できるようになりました。 |
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畝間2m、幹間1m、フルーツゾーン50cmの草生栽培で、欧州系品種が植樹されています。
現在はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、その他の品種5%となっています。 |
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日本ではカベルネ・ソーヴィニヨンの着色がなかなか濃くなりませんが、クローン選抜、マサル・セレクション(圃場選抜)、特にキャノピー・マネージメント(ぶどうの葉の管理)によって、良く着色した実となっています。 |
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シャトー・メルシャン 醸造場は2010年9月にリニューアルされ、最新設備とグラヴィティ・フローの導入、温度管理、区画に合わせての小仕込みなど、ぶどうの個性を反映したワイン造りがより鮮明になってきました。 |
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後ろに見えるのが窒素置換型圧搾機。房・粒の2段階の選果を行うようになりました。 |
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配管は冷水と温水が通っており、この配管とジャケット付きステンレスタンクをホースで繋ぐことで適切な温度管理が可能です。
タンクには温度センサーにより全てのタンクの状態をコンピューター管理しており、センターパネルでマストの状態が把握できます。
また極力ワインやマストに負荷をかけないために、ポンプによる圧送ではなく重力を利用する「グラヴィティ・フロー」を行っており、ワインやマストが入ったタンクをフォークリフトで持ち上げて、次のタンクの上部まで運べば、そのまま重力を利用して中身を移し替えることが可能な方法を取り入れています。 |
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発酵タンクはぶどうの種類、区画、ワインタイプによって変えています。
メンテナンスに手間がかかる木桶を多く採用している点でも、品質へのこだわりが感じられます。 |
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新樽は毎年約100樽ずつ購入され、リニューアルされます。
また熟成ルームを3部屋設け、ワイン種別によって異なる管理をしています。 |
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柔和な語り口にも熱い思いが溢れ、フィネスあるより良いワインを目指しています。
このようにシャトー・メルシャンでは、自然・人・技術が一体となったスケールの大きいワイン造りを行っています。
”日本のワイン”という範疇だけではない、”日本でなければ出来ないワイン”がより一層認知されるのを願っています。 |