新潟県 岩の原葡萄園
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岩の原葡萄園
所在地:新潟県上越市
製造部部長:上村宏一さん
設立:1890年
取材者:宮本輝紀(2013年9月11日) |
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岩の原葡萄園は新潟県の西、富山県側にある上越市にあるワイナリーです。 上越市は特別豪雪地帯に指定されている場所で、古くから農業に携わる人たちは雪害に苦慮してきました。 1890年(明治23年)日本のワインぶどうの父と呼ばれる川上善兵衛さんは、農民救済のための新しい産業としてワイン醸造に着目しました。 私財を投げだしてぶどう園を拓いた善兵衛は本格的なワイン造りを追求し、当地の気候風土に適したぶどうを求めて品種改良に没頭し、約1万種の品種交雑の中からマスカット・ベーリーAをはじめ22品種の優良品種を世に送り出しました。 ワイナリーは日本海に面する高田平野から妙高連峰に向かって進んだ山麓にあります。 2014年にワイナリー全体を一新し、ショップ、レストラン、川上善兵衛資料館が一体となり、多くの観光客が訪れる名所となっています。 |
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岩の原葡萄園では、善兵衛が残した代表的なぶどう品種のうち、「マスカット・ベーリーA」「ブラック・ クイーン」「レッド・ミルレンニューム」「ローズ・シオター」の4種を栽培し、ワイン造りに活かしています。
特にマスカット・ベーリーAは有機栽培にも力を入れており、「新潟県特別栽培農産物認証」をクリア した畑でも栽培しています。
6haある自社農園では、棚栽培と垣根栽培を併用しています。
積雪量が多い土地であるため、棚面が最大2.3mとなる棚栽培、一文字短梢式で高棚を利用した垣根 栽培といったように、高さとともに強度を重視した工夫を凝らした仕立てを行っています。 |
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醸造・熟成においては、最新の醸造技術を用いると共に、この地方特有の豪雪「雪エネルギー」を利用した”雪室”で安定した温度と湿度の条件下でワインの熟成を進めています。
製造部部長・上村宏一さんは、地元で生まれ育ち、高校卒業後岩の原葡萄園に入社。
以来一貫としてワイン製造に携わり、この土地のテロワールを表現し続けています。
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